分かれ目は、外ではなく中にあった
3ポイントの本数は0.5本しか違わない。ペイント内は15.4点違った
いちばん大きく違ったのは、ペイント内の得点でした。見込みを上回っている10クラブは相手より平均9.3点多く取り、下回っている11クラブは6.1点少ない。その差、15.4点です。
ところが、3ポイントを打つ本数の差は0.5本しかありません。上振れ組は相手より1.3本少なく、下振れ組は0.8本少ない。どちらも相手ほど打っていない、という点では同じです。成功数の差も1.6本。外からのシュートでは、2つのグループは分かれていませんでした。
中で差がついたクラブは、ほかの項目でも差をつけています。リバウンドで7.7本、アシストで5.0本、ターンオーバーの少なさで4.1本。すべて同じ向きです。
だから「中で取れたから勝っている」とは書けません。これらは一緒に動くもので、「中で優位に立てているかどうか」という束が、まとめて表に出ていると見るべきものです。どちらが原因かは、この数字からは分かりません。
広島は、3ポイントを14本少なく打って6連勝している
外を捨てて中で取り切る。偶然には見えない形
6試合を終えて6勝0敗。開幕前の見込みはほぼ五分(1試合あたり+2.2点)でしたから、実際の+14.2点は大きく外れています。ずれは+12.0で、名古屋Dと並ぶリーグ最大です。
中身が極端です。3ポイントの試投が、相手より1試合あたり14.0本少ない。それでいてペイント内で17.3点、リバウンドで4.7本上回っています。狙ってそうしている形に見えます。
同じ無敗でも、名古屋D(5勝0敗、ずれ+9.4)は別の形です。ペイント内で17.6点上回るのは広島とほぼ同じ。ただし3ポイントの試投は相手並みで、代わりにターンオーバーが8.4本少ない。失わずに攻め切っています。
正反対の形を選んでいるのが佐賀です。3ポイントを相手より4.2本多く打っている。いまは成功が2.5本少なく、ペイント内でも13.7点下回っていますが、確率がどこに落ち着くかは6試合では分かりません。本数を打っているぶん、振れ幅は大きいままです。
得点上位40人のうち11人が、夏に加わった選手だった
ただし、点を取る選手がいることと、クラブが勝つことは別
1試合あたりの得点で上位40人を取ると、11人が今季からの新加入でした。4人に1人です。徳島のラポラス・アイヴァナーカスが23.0点、佐賀のナシール・リトルが21.5点、宇都宮のトレイ・ケルが20.8点。
ただし、ここに名前があることと、クラブが勝っていることは一致しません。佐賀はリトルが21.5点を挙げ、3ポイントも17本決めています。それでも白星はまだ1つ。個人の得点とクラブの優劣は、別々に測る必要があります。
| 選手 | クラブ | 平均得点 | 3P |
|---|---|---|---|
| ラウリー・アルキンズ | 東京SR | 19.9 | 13本 |
| ラポラス・アイヴァナーカス | 徳島 | 23.0 | 11本 |
| ナシール・リトル | 佐賀 | 21.5 | 17本 |
| トレイ・ケル | 宇都宮 | 20.8 | 15本 |
| ジェイク・レイマン | 仙台 | 17.9 | 22本 |
| ヴィック・ロー | 茨城 | 17.3 | 13本 |
| デイミアン・ドットソン | 佐賀 | 20.0 | 8本 |
| ディー・ジェイ・ホグ | A東京 | 19.8 | 20本 |
上振れた10クラブと下振れた11クラブで、3ポイントを打つ本数はほとんど変わらない。違っていたのは、中で取れた点の15.4点だった。
3Qのリードは、6試合に1回ひっくり返されている
第3Qだけ、得点が落ちてターンオーバーが増える
152試合のうち24試合で、第3Q終了時に負けていた側が勝ちました。6試合に1回です。
いちばん大きく詰めたのは富山でした。10月9日、東京SR相手に3Q終了時20点差。それを追いついて90-96で勝ち切っています。9月25日には京都が滋賀相手に14点差を詰めて95-94。9月23日の徳島は横浜EXに9点差を詰め、2度の延長の末に93-92。
第3Qだけ、試合の質が少し変わります。1試合1クラブあたりの得点は1Q 20.8点、2Q 20.6点、4Q 20.4点に対して、3Qは19.8点。ターンオーバーは逆に、3Qだけ3.58本と多い(ほかは3.08〜3.27本)。前回の振り返り(各クラブ2試合)でも同じ形が出ていました。試合数が3倍になっても消えていません。
延長が、過去10シーズンのどの年より多い
7.2%。ただし、最後まで分からない試合の割合は増えていない
152試合のうち11試合が延長にもつれました。7.2%です。10月2日の千葉J対A東京は4度の延長で131-138。10月10日の広島対滋賀は3度の延長で111-105。
2016-17以降の10シーズンでは、延長の割合は4.1%でした(14,283試合中592試合)。最も多かった2023-24でも5.4%、最も少なかった2021-22は2.9%。今季はどの年よりも高い。
運営や放映の側から見ると、延びたのは時間です。今季の延長は11試合で合計18ピリオド、追加のプレー時間は90分。1試合あたりに均すと+0.59分で、過去10シーズンの+0.25分の2倍を超えています。
ところが、接戦そのものは増えていません。5点差以内で終わった試合は152試合中36試合、23.7%。過去10シーズンの24.9%とほとんど同じです。延長が増えた一方で、最後まで分からない試合の割合は動いていない。
だから、今季の延長の多さは偶然の範囲で説明がつきます。過去10季の割合がそのまま続くとして、152試合で11試合以上が延長になる確率は5.2%。珍しくはありますが、届かない数字ではありません。
対戦相手はまだ2〜5クラブ。ここまでが、いま言えること
次の節目は各クラブ10試合
クラブ同士を比べられるようになったのは、今回が初めてです。前回(各クラブ2試合)はどのクラブも同じ相手との2連戦しか終えておらず、クラブごとのずれは相手の鏡像にしかなりませんでした。今回は独立したカードが90あります。
とはいえ、1クラブあたりの対戦相手はまだ2〜5。厳しい相手と当たり続けたクラブと、そうでないクラブがいます。ここで出した「ずれ」は、その影響を除いていません。
次の節目は各クラブ10試合です。同じ切り口をもう一度当てれば、今回見えたものが残るのか、3週間だけのものだったのかが分かります。外れていたら、そのまま残します。